タブレットでキャッシュレス・モバイル決済を導入、その方法は
- 2023.04.02
- 業種別活用法
近年「モバイル決済」に対応する店舗やカフェ、レストランなどが増えています。いつも持ち歩くスマホをかざすだけでキャッシュレス決済ができるので利用者に便利ですが、店舗を持つ事業者にとってもメリットのある決済手段です。
今回は、タブレットを活用したモバイル決済を導入する方法や、導入するメリット・デメリットなどを紹介します。
モバイル決済の導入に必要なものとは
モバイル決済は、QRコードや電子マネーなどの情報をスマートフォンに読み込んで支払いができるシステムです。POSレジと異なり高額な機器を導入する必要がなく、タブレット端末とカードリーダー、通信環境があれば低コストで手軽に導入できます。
導入方法は、まず決済代行サービスとの契約を行います。決済代行サービスを選ぶことによってSuicaやPASMO、楽天Payなど複数の電子マネーに対応し、決済から入金までを代行してくれます。
初期費用として、モバイル決済に必要な端末の費用があります。端末の値段は2~5万円前後が一般的ですが、決済サービス会社によってはタブレットなどの端末を無料または割引価格で販売しているところもあります。
そして通信環境も整えます。通信設定を行う場合は初期費用3~5万円前後、すでにインターネットが接続されている場合は通信料のみ、カードリーダーも数千円程度で購入できます。
決済サービス会社のアプリからアカウントを作成し、必要事項を入力した後は審査を待ちます。およそ1~2か月で利用できると言われています。
運用費は「決済手数料」と「振込手数料」「通信料」がかかります。決済手数料は、決済額の3%前後、振込手数料は無料であったり毎回200円であったり決済会社によって異なります。それ以外にもトランザクション料や入金明細発行手数料などがかかる会社もあるので注意しましょう。
モバイル決済を導入することのメリット
モバイル決済を導入するメリットは、初期費用の手軽さだけではありません。どのようなメリットがあるのかみていきましょう。
集客効果がある
モバイル決済は、その手軽さやポイント還元などお得なサービスでニーズが高まっています。特に若年層の需要が高く、モバイル決済ができるお店をわざわざ選ぶ人もいるほどです。決済手段が選べることでより集客効果が高まります。
決済手数料が安い
クレジットカード決済は、決済額の2%~8%と言われており、決済会社によって幅があります。一方モバイル決済は会社によって大きな幅はなく、2%~4%未満で抑えられているため、加盟店にとっては運用しやすくなっているのも魅力です。
入金サイクルが早い
モバイル決済代行サービスによっては、売上の入金サイクルが短いところも多く、中には最短で翌営業日に振り込まれる場合もあります。現金を受け取るようにスピーディーに売上金を回収できれば、資金繰りを調達しやすくなります。
ただし、まとめて1か月分を入金する会社もあります。運営状況に合わせてモバイル決済代行サービスを選ぶとよいでしょう。
データを活用できる
タブレット上で会計処理したデータを集計・管理することができれば、「何が、いつ、どのくらい売れた」などの統計をとることができます。商品や購入者の属性などの傾向が分かると、効果的な経営戦略につなげることができます。
モバイル決済導入の注意点
モバイル決済は、メリットが多い一方で注意したいこともあります。デメリットとして導入前に把握しておきたいところです。
利用中にも審査がある
モバイル決済を導入する際には加盟店に対して審査が行われますが、加盟後とも正しく店舗が運営されているか、トラブルを起こしていないか審査します。
これは「途上審査」と呼ばれていますが、違反行為などが確認された場合は取引が停止になるので正しく運営していくことが大切です。
決済代行サービスの選択肢が多い
モバイル決済代行サービスは数多く、選ぶのが難しいという声もあります。運用費の安さだけで選んでしまうと、対応する電子マネーの種類が少なく、ターゲット層にマッチしていないということも考えられます。モバイル決済代行サービスは慎重に選ぶ必要があるでしょう。
セキュリティ対策を行う
モバイル決済では不正アクセスやフィッシング詐欺などの問題も発生しています。モバイル決済の不正使用が発生すると、金銭的な被害だけでなく店舗の信用問題にも関わり、その後の売上や運営継続のリスクにつながります。
カード情報を暗号化する「SSL」技術を採用したシステムを利用する、QRコードは端末に表示できるようにするなど対策をとっておきましょう。
まとめ
モバイル決済を導入することにより、レジ作業が効率化すれば従業員の適切なシフト配置や負担軽減につながります。また来店者も自由な支払い方法がスムーズにできることで満足度の向上につながるでしょう。多様化する決済ニーズに合わせて、運用しやすいモバイル決済を導入してみてはいかがでしょうか。