タブレットにおけるSoCとは?CPUとの関係は?
タブレットを選ぶ基準として「SoC」という用語が出てきます。SoCはSystem on a chipの頭文字をとった用語で、一つのチップにさまざまな要素を組み込んで一つのシステムを形成しているものです。
のような要素が実装されるのか解説します。また、各要素の役割も解説しますので、タブレットを選ぶ際の参考としてみてください。
タブレットにおけるSoCとは?
タブレットにおいて「SoC」は「CPU」と混同されますが、厳密には異なります。CPUはSoCに組み込まれる要素の一つで、他にはGPU、I/O、メモリーなどさまざまな要素が組み込まれます。
どの要素を組み込むかは、機器の用途によって異なりますが、今回はタブレットに実装される主な要素について解説していきましょう。
CPUの機能
CPUはCentral Processing Unitの略で、タブレットの頭脳を担う要素です。直訳すると中央演算処理装置となり、周辺機器からの情報をもとに演算処理を行い、メモリーの制御などを行います。
特に重要な指標が「コア数」と「クロック数」で、数値が高いほど処理速度は高速です。コア数は同時に行える処理の数を表し、たとえば4コアの場合はCPU4つ分の処理を同時に進められます。
クロック数は1秒間あたりに行える処理の数を表し、たとえば1.5GHz、2GHzなどの場合は数字が大きいほど単位時間あたりの処理が多いため、動作が軽く感じられるでしょう。快適にタブレットを使用したい人は、CPUの性能が一つの指標となります。
GPUの機能
GPUはGraphics Processing Unitの略で、画像処理に特化したプロセッサーです。画像処理も演算処理の一部であるためCPUで担うことは可能ですが、その場合CPUに負荷がかかるため全体の処理速度が低下してしまいます。
さらに、画像処理は単純かつ膨大な計算が必要となります。そのため、画像処理に特化した計算を得意とするプロセッサーとしてGPUを実装し、画像処理をGPU側で行うことでCPUの処理負荷を軽減できる仕組みとなっています。
きれいな画像や映像を取り扱う機会が多い場合は、GPUの性能を気にする必要があるでしょう。
モデムの機能
モデムはLTEや5G、wifiなどのアナログの電波をデジタルデータに変換する要素です。タブレットをインターネットにつなげる場合には必須の要素です。タブレットで使用したい電波に合わせたモデム選びが必要となるでしょう。
SoCの種類
SoCの代表的な種類を三つ紹介します。一つ目は「Apple A・Mシリーズ」で、iPadに搭載されているSoCです。高い性能と省電力が特徴で、他社製品と比較して高い品質を維持し、アップル製品を支えているSoCといえるでしょう。
二つ目の「Qualcomm Snapdragon」は、アンドロイドのタブレット端末に多く実装されているSoCです。安定性が高いのが特徴であり、ハイエンドSoCとして人気も高いです。
三つめは「Nvidia」で、パソコン用のグラフィックボードを開発している会社のため、GPU性能に強いとされています。
タブレットの選び方とSoCの関係
SoCを選ぶ基準としては、SoC上に実装されている要素のバランスが重要となります。例えばCPUのクロック数が高かったとしてもGPUの性能が低い場合はSoCとしての質は落ちるでしょう。
また、タブレットを活用して何をやりたいかによってもSoCの基準は変わります。画像加工や映像加工を主に行いたいのであればGPUの性能は高いほうがよく、複数のアプリを立ち上げて平行に作業を行いたいのであればCPUの性能が重要となります。
OSとの関係性も重要な要素のひとつです。メーカーごとに、OSに合うSoCが用意されている場合もあり、例えばアップル製品は、アップルが独自に開発している専用のSoCが搭載されます。
iPad専用に作られたSoCは最適化されているため処理も効率的に実行できるでしょう。
まとめ
今回の記事では、タブレットにおけるSoCの特徴と、CPUやGPUなどとの違いについて解説しました。SoCは一つのチップに複数の要素を詰め合わせてシステムを形成したもので、CPUやGPUは要素の一部となります。
CPU、GPU、モデムなど、SoCに実装される要素にはそれぞれが役割を持っていて、要素全体のバランスが重要となります。SoCはOSとの関係性も重要で、OSによっては専用のSoCを実装している場合もあり、最適化されたSoCを使用することで処理の効率化が実現できるでしょう。
タブレットを選ぶ際はCPUのクロック数やGPUの種類だけではなく、SoCとしての性能を気にしてみるとよいでしょう。