業務でタブレットを導入したい!経費削減は実現できる?

  • 2022.06.28

企業においてタブレットの導入を検討している場合、特に気になる点は「導入費用に対して十分な効果が見込めるか」ということではないでしょうか。

コストを管理する立場としては、導入効果を十分に確認してから導入を決定したいところです。

見方を変えれば、新規でタブレットを導入するとどんな費用がかかるのか、タブレットを導入するとどんな費用が削減されるのか、という目安がわかれば導入に踏み切りやすくなります。

タブレットの導入を検討している場合は、費用対効果の状況をあらかじめ把握しておくことが大切です。

タブレットの導入にかかる費用

タブレットを導入した場合にかかる費用としては、下記があげられます。

・タブレット端末の購入、またはリース料
・通信料
・アプリの利用料

それぞれの費用について説明します。

タブレット端末の購入、またはリース料

タブレットを導入する場合は、購入費用、またはリースの費用がかかります。

購入する場合は導入時にまとまった費用がかかります。一方、リースの場合は購入費用がかからない点がメリットではありますが、リースの期間が長期にわたる場合、購入費用よりも割高になる場合があります。

タブレットを購入する場合、端末の価格はスペックにもよりますが、3万円程度から購入できます。なお、ストレージ容量が大きい端末や画面の大きい端末は割高になる傾向があり、端末の価格は5万円~10万円前後と幅があります。

タブレットのリース料の目安は、リース期間が2年間の場合、月額料金の目安は2,000円~7,000円程度であり、タブレットに搭載されている機能によって異なります。

通信料

タブレットには「Wi-Fiモデル」と「SIMフリーモデル」の2種類があります。

Wi-Fiモデルのタブレットは、Wi-Fi経由で通信するため通信費はかかりません。なお、SIMフリーモデルは携帯電話回線を経由して通信するため、別途通信料がかかります。

例えば、社内のみで使用する場合、社内でWi-Fiが利用できれば通信料がかからずに利用できます。タブレットを社外でも使用する場合はSIMフリーモデルが必須となるため、通信料が必要となります。

通信料はプランによって異なり、月額2,000円~8,000円程度が目安です。

アプリの利用料

タブレットを利用して業務の効率化を図る場合、専用のアプリをインストールすると効果が高まります。

なお、アプリによっては有料のものもあります。コストをかけた分、業務の効率化が期待できる場合は、有料であってもアプリの導入を検討してみましょう。

タブレットを導入した場合に削減される費用

タブレットを導入した場合に削減される費用としては、下記があげられます。

・紙のコスト
・印刷コスト
・書類作成に関連する人件費
・タブレット導入前に使用していた機器の使用料

それぞれの費用について簡単に説明します。

紙のコスト

タブレットを導入することで紙媒体の資料を作成する必要がなくなるため、紙のコストが削減されます。

ペーパーレス化はコストの削減効果が見込めるほか、森林資源の保護につながるため、環境に優しいメリットもあります。

印刷コスト

タブレットの導入で紙媒体の資料が不要になると、印刷コストを削減できます。印刷にかかるコストは、インク代あるいはトナーの費用です。

1枚あたりの印刷コストは微々たる額ではありますが、紙の資料を作成する量が多くなるほど印刷コストは割高になります。

書類作成に関連する人件費

紙媒体の書類を作成する場合、人件費もかかります。

紙媒体の資料の印刷、資料をまとめる作業、できあがった資料を会議室などに運ぶ作業はすべて人手によって行われます。

タブレットを導入すれば上記の作業が不要となるため、余分な人件費を節約できます。

タブレット導入前に使用していた機器の使用料

タブレットを導入することで、これまで使用していた機器が不要になる場合があります。

例えば、タブレットの導入を機にFAXの利用を止めたり、コピー機の利用を止めたりします。

これまで、FAXやコピー機をリースしていた場合、リース料がかかりますが、利用を止めればリース料の支払いが不要になるためコストを抑えられます。

タブレットを導入した場合の経費削減事例

タブレットを導入した場合にどの程度経費が削減されるのか、という点について、福岡県の北九州市議会がタブレットを導入する場合に示した試算を紹介します。

タブレットを導入した場合、新たにかかる費用の見込額は下記のように試算されました。

タブレット端末及び通信サービス
・初年度総費用:365.2万円 
・2年目以降年間総費用(平年ベース):343.2万円
・5年間総費用:1738万円

資料閲覧等ソフト(「SideBooks」を使用した場合)
・初年度総費用:190.1万円 
・2年目以降年間総費用(平年ベース):181.4万円
・5年間総費用:915.7万円

タブレット端末導入に伴い増加する費用に係る職員人件費
・初年度総費用:1.9万円
・2年目以降年間総費用(平年ベース):1.9万円
・5年間総費用:9.5万円

合計
・初年度総費用:617.2万円
・2年目以降年間総費用(平年ベース):526.5万円
・5年間総費用:2723.2万円

また、タブレットを導入した場合、削減される経費の見込額は下記のように試算されました。

議員用公設FAXリース代等
・単年度削減見込額:293.8万円
・5年間総削減見込額:1469万円

市議会事務局・執行部FAX使用料
・単年度削減見込額:48.4万円
・5年間総削減見込額:242万円

会議録、調査号等冊子作成・印刷費
・単年度削減見込額:58.2万円
・5年間総削減見込額:291万円

議案書、予算調査号等冊子作成・印刷費
・単年度削減見込額:80.3万円
・5年間総削減見込額:401.5万円

コピー使用料
・単年度削減見込額:41.2万円
・5年間総削減見込額:206万円

コピー用紙購入代
・単年度削減見込額:14.9万円
・5年間総削減見込額:74.5万円

市議会事務局輪転機使用料
・単年度削減見込額:6.8万円
・5年間総削減見込額:34万円

議員配付資料に係る事務用品代等
・単年度削減見込額:14万円
・5年間総削減見込額:70万円

FAX送信に係る職員人件費
・単年度削減見込額:1.9万円
・5年間総削減見込額:9.5万円

コピー、資料の編綴・運搬等に係る職員人件費
・単年度削減見込額:359万円
・5年間総削減見込額:1795万円

合計
・単年度削減見込額:918.5万円
・5年間総削減見込額:4592.5万円

上記より、新たにかかる費用の見込額よりも削減される経費の見込額の方が多くなるため、経費が削減されることがわかります。削減額(見込み)は下記の通りです。

経費削減額(見込み)
単年度:392万円 5年間合計:1869.3万円

参考:北九州市議会 タブレット端末の導入 費用対効果等の試算

まとめ

タブレットを導入すると導入費用がかかるため、一見するとコストの面で負担に感じられます。

一方で、削減される項目としては人件費、FAXなど事務機器のリース料、印刷費、コピー用紙代などがあります。さまざまな費用が削減されるため、十分なコストの削減効果が見込めます。

タブレットを導入する場合、購入もしくはリースとなります。購入する場合は最初にまとまった額の出費となる反面、リースの場合は月額利用料を支払うため、導入時の費用が抑えられます。

ただし、長期間にわたってタブレットをリースすると、リースで支払う総額が購入額を上回ることがあるため、長期間にわたってタブレットを利用するなら、購入の方が適しています。

タブレットを導入すると、業務の効率化のみならず、コストダウンを実現しやすくなります。これらのメリットを受けるためにもタブレットの導入を検討してみましょう。

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