タブレットからも利用できる?VDIとは何か、VDIに必要な環境とは
- 2023.04.07
- その他
ビジネスのDX化推進、リモートワークの普及などによりVDIの導入を検討する企業も増えてきました。VDIを活用すればハイスペックなパソコンを持ち歩くことなくどこでも効率的に作業ができるようになります。
VDIとは「仮想デスクトップ」を指しますが、そもそもどういうものなのでしょうか。本記事では、VDIとは何か、その仕組みや得られるメリットなどを紹介します。また、VDIにおけるタブレットの使い方、選び方なども解説するので参考にしてください。
VDIとは
VDIとはVirtual Desktop Infrastructureの略語で、日本語では「仮想デスクトップ」と呼ばれています。社内で使用するパソコンのOS、アプリケーション、業務データなどをサーバー上の仮想基盤に集約し、手元の端末でサーバーにアクセスすることでそれらの作業を実行できる仕組みになっています。
たとえば、従業員が手元の端末で入力作業をすると、そのデータがサーバーに送られ、社内のパソコンにも反映されます。このデータはすべてサーバー上の仮想デスクトップに保存されるため、作業をした端末にデータが残ることはありません。
VDIのメリット・デメリット
端末にデータが残らない環境を「シン(Thin)クライアント」、反対にユーザーの端末で処理が多くなる環境を「ファット(Fat)クライアント」と呼びます。企業がVDIを導入する場合は、シンクライアントを選択することがほとんどです。
その理由は、データがサーバー上で保管されることにより情報流出のリスクが抑えられること、OSやアプリケーションのアップデートなどメンテナンスコストが低減できることなどにあります。
また、BCP(事業継続計画)対策の一環にもなります。情報などの資産をサーバー上に保管することで、自然災害やパンデミックなどが発生しても、資産を失うことなく事業を継続することができます。
さらに、シンクライアント端末の1台あたりのコストを抑えることも可能です。というのも、データがサーバー上で保管されるため端末にはデータ保存のためのストレージやメモリー、CPUなどハイスペックな機能は要求されないからです。
ノートPCの場合、購入すると15万円前後になり、これを従業員ひとり一人に配るのは大きな負担になりますが、タブレットであれば2万円前後から購入することができます。
運用コストを抑えながら管理業務を効率化するうえに、従業員の柔軟な働き方ができるのもVDIの大きなメリットといえるでしょう。
ただし、VDIはネットワーク環境に大きく依存します。ネットワークがなければサーバーにアクセスできず、仮想デスクトップを開くことも作業することもできません。暗号化の強度が高いWPA2に対応し、時間や場所に左右されない通信速度を維持できる安定したネットワークが必要です。
リモートワークでは、個々のネットワーク環境が異なるため、ボトルネックとなる場合があります。
また従業員の人数が多くなるとサーバーへの負荷も大きくなり、パフォーマンスも低下します。障害が発生した場合は一部だけでなく全体がストップしてしまう可能性があるため、サーバーの性質も重要です。そのため最近は、VDI環境をクラウドで構築・管理するサービスも増えています。
VDIにおけるタブレットの選び方
タブレットを従業員に配布できれば経費の節約につながりますが、タブレットを選ぶ際には注意が必要です。
まず、VDIは仮想デスクトップを実現するアプリ(リモートデスクトップアプリ)を導入する必要があります。利用できる機能やサービス内容もさまざまで、料金も無料のものから月額数千円~数万円、時間あたり数百円などそれぞれプランも異なります。
プランによっては、タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスに対応していない、PCのみというサービスもあるので端末を導入する前に確認しておきましょう。
タブレットの画面サイズは10インチ以上、画面解像度は1280 x 800を上限としたものが適切とされています。10インチは、B5サイズのノートとほぼ同じ大きさです。スマートフォンも使用は可能ですが、画面が小さく全体を見ながらの操作が難しくなります。
また、アプリの性質上タッチキーボードや対応言語などにも制限があり、外付けのキーボードやマウスなども必要になる可能性もあることを考慮しておきましょう。
ほかにも、タブレットを導入する際は、盗難・紛失対策としてアカウント情報を毎回入力する形にする必要があります。また、情報セキュリティの観点からデータを暗号化するVPNを設定すること、タブレット内で使用できるアプリを制限することも重要な条件です。
まとめ
海外では、私物のパソコンやタブレットを業務用に使用するBYOD(Bring Your Own Device)という利用形態がトレンドになっており、日本でも普及すると考えられています。VDI、BYODを含めこれからも多様化する働き方、効率的な働き方に合わせた環境が整備されていくでしょう。
VDI導入のためには、ネットワーク環境、リモートデスクトップアプリ、そしてタブレットをしっかりと吟味・選択することが重要です。