訪問介護こそタブレットを導入すべき!使い方と活用事例

高齢社会に入り、拡大しているのが介護市場です。特に訪問介護事業は、個別にサービスを提供するため質の高さが問われる一方、人手不足とも言われており1人当たりの労働生産性をどのように向上させるべきかが課題となっています。

そこでおすすめなのが、タブレットの活用です。この記事では、訪問介護のICTの活用状況とタブレットを活用するメリット、タブレット活用事例などを紹介します。

訪問介護でのタブレットの現状

訪問介護現場でもタブレットが活用されるようになってきましたが、まだまだ多いとは言えません。厚生労働省の調べによると、訪問看護のデスクトップパソコン導入率80%に対し、スマートフォンの導入は約20%、タブレットは20%以下となっています。介護ソフトの利用にいたっては10%を下回っています。

参考:厚生労働省「令和2年 介護現場におけるICT環境の整備状況等に関する実態調査」

こうした現状は、訪問介護事業の多くが小規模または零細規模で運営されていることが多く、資金も潤沢とは言えないことがあげられます。訪問介護はニーズが高く固定費も多くかからないものの、人件費がかかるため収益の安定を図るために状況を変えない傾向があると考えられています。スタッフによっては、新しいものを覚える不安などもあるでしょう。

政府も、介護事業におけるICT化の促進に力を入れ、動画コンテンツの配信やセミナーなどを行っています。ではなぜICT化が求められるのか、タブレットを導入することで何を変えることができるのか説明していきましょう。

訪問看護でタブレットがもたらす効果

タブレットを導入することで、次のような効果が考えられます。

介護記録・帳票作業を効率化

紙媒体での介護記録をタブレットに変えることで、記録業務や請求業務を訪問先でもできるようになります。事務所に戻って各種書類の整理や保管なども必要なくなるため、直行直帰が可能になり、サービスの提供にも力を入れやすくなるでしょう。

また事務員やケアマネージャーも、介護記録や帳票をその都度確認できるため管理業務の効率化につながります。

情報を共有できる

タブレットに記録を残すことで、スタッフ全員が情報を共有できるようになります。前にスタッフが残した記録や申し送りを事務所で確認する、といった手間もなくなります。写真や動画を利用すれば、利用者の健康状態や自宅での状況など、ヘルパーが判断しにくい・説明しにくいものも報告することができます。

コミュニケーションに活用できる

情報を共有できる環境をつくることで、シフトや日程などをタブレット上で行うことができるようになります。電話連絡やメッセージ送信などの必要がなくなり、必要なデータをすぐに確認できることで、ケアマネージャーとの連携強化や、職員間のコミュニケーション促進にもつながります。

訪問介護のICT導入事例

では実際に、訪問介護でタブレットをどのように導入しているか事例を見ていきましょう。

ペーパーレス化の取り組み

ある訪問介護事業所では、事務所にパソコンが1台のみで、事務作業の煩雑さもあり入力作業に順番や待ち時間が生じていました。そこでタブレットを導入し、数十名の訪問介護士のうち、2名が中心となって使い方を指導する体制を整えました。始めは紙とタブレットの併用、最終的に紙を禁止する方向で進めています。

現在では、タブレットと小型プリンターを使い事務作業をこなしています。訪問先で介護記録を入力し、印刷すると事務所の管理画面に実績が反映されるシステムを使っています。事務所に戻って記録の入力作業や保管などの手間がなくなり、ヘルパーへの申し送り、医師への確認といった連携体制も整うようになっています。

多拠点のサービス・品質管理に

別の訪問介護事業者は、訪問介護のマナーや心構えなどをマニュアル化して研修用の動画を作成しました。同社が展開するすべての介護事業所にタブレットを導入し、動画を社員教育に活用しています。いつでも視聴できるようにしておくことで、サービスの均一化、拠点間の差異をなくすようにしています。

電話連絡なしでシフト調整

訪問介護サービスを提供する別の事業者は、ヘルパーの働きやすさをサポートするためタブレットを導入し、介護ソフトとコミュニケーションアプリを活用して業務連絡やシフト調整に利用しています。それまでの電話連絡で時間がかかっていた連絡がスムーズになり、ヘルパーも休日や夜間の電話連絡に対応する必要がなくなってストレスの軽減につながっています。

まとめ

介護業界では、タブレットを導入する前に操作方法を学ぶ研修期間を設けているところも多く、中にはゲームアプリで操作の訓練を行ったり、夜間待機などの時間を利用して個別指導を行ったりしている事業所もあります。

これから訪問介護の現場を働きやすくするためにも、ぜひタブレットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

医療・介護業界のタブレット活用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

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