銀行の業務もタブレットを活用して効率化しよう
- 2022.10.20
- 業種別活用法
はじめに
タブレットは、金融機関でも導入されるようになってきました。顧客向けツールとしてはもちろん、渉外担当者にとってもさまざまな資料を持ち歩く必要がなくなり、どちらも業務効率の向上に役立っています。
銀行などの金融機関は、セキュリティ強化が大前提となるためネットワークやシステムの整備が欠かせませんが、タブレットが導入できれば活用範囲が広く行員にも顧客にもメリットが多いと言えるでしょう。
そこで今回は、銀行業務でのタブレットの使い方、金融機関におけるタブレットの導入状況や問題点、導入のメリット・デメリットなどを紹介していきます。
銀行業務のタブレット活用銀行業務におけるタブレットの活用には、まず営業窓口での取引システムがあげられます。項目を選択し、必要な手続きをタブレットの指示に従って行います。
また、預かり資産業務において、金融商品・サービスのパンフレットやカタログ、株価・為替など最新のマーケット情報を表示させることができるほか、住宅ローンのシミュレーション、資産運用診断、プラン作成などを行うことが可能になります。
営業や渉外担当者にとっては、資産運用の提案のほかにも外出先で顧客情報を取得できたり、日報や訪問メモを作成したりなどさまざまな活用が考えられます。
金融業界におけるタブレット導入の現状と問題点
金融業界の渉外業務におけるタブレット導入率は、都市銀行で100%、地方銀行で50%とも言われています。
また金融庁の「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」によると、金融機関のIT・デジタル技術の導入状況は「クラウドサービス」が86.5%、「AI技術」が51.9%、「RPA」70.2%、「データ活用」66.3%となっています。
このようなIT化の促進に加え、政府が5Gによるネットワークやシステム整備を推進している現状を鑑みると、金融機関でのタブレット活用の傾向はこれからも高まると考えられるでしょう。
その一方で、第二地方銀行などでは、ITやタブレットの導入が進んでいないとされています。その原因として、セキュリティやモバイル管理体制の整備にかかるコスト、業務アプリケーションの快適性などがあるほか、レガシーシステムへの固執などの問題点があり、今後どのように取り組んでいくかが課題となっています。
タブレット導入のメリット・デメリット
タブレットの導入に関して、銀行ならではのメリット・デメリットが考えられます。いくつか見ていきましょう。
メリット
メリットは、店舗での取引の手続きがスムーズになることです。データを電子化することで、伝票への記入や転記などのオペレーションが省略され、窓口業務の効率化・省人化を実現します。顧客も手間が軽減され、全体として待ち時間の短縮につながります。
また、携帯性も生産性を向上させます。特に営業や渉外担当者は、重量のあるPCや多くの資料を持ち歩く必要がなくなり、想定外の商品やプランの紹介、資産運用の急な変更や再検討などがあっても、タブレットから検索して説明したり、簡単な操作でプランを作成したりすることが可能になります。
1回の訪問で顧客のニーズに柔軟に対応できれば、準備の時間や再訪問の回数を減らすことができる上、訪問件数を増やしてより多くの顧客に訴求することができます。
さらに、タブレットにより顧客情報を引き出す手間を省くことが可能になります。
多くの銀行では、情報漏えいなどのリスクを避けるために、情報を印刷し、申請書を提出して承認を得るシステムを採用しています。これをタブレットからアクセス可能にし、情報がタブレット端末に残らない仕組みを作ることで、情報漏えいのリスクを回避しながら顧客情報の持ち出しにかかる手間を省きます。
ほかにもタブレットは起動が速く画面も見やすいこと、ペーパーレス化につながること、記述などの手間や人的ミスの低減につながることなどもあげられるでしょう。
デメリット
デメリットは、金融機関では、多くの個人情報と資産を扱うことから、情報漏えいを防ぐため高度なセキュリティが求められ、システムの整備・導入・運用のコストがかかることです。
収益規模が小さい地方銀行などでは負担が大きく、外部サービスを導入するにもアプリケーションが適切でない、快適でないものになると活用しにくくなることが考えられます。
また、セキュリティ対策を強化するあまり何度もIDやパスワード入力など認証作業が多くなってしまうと、ユーザビリティに影響し顧客を待たせてしまう可能性があります。そのためのシステムの構築や検証をきめ細やかに行う必要があるため、時間や手間がかかるでしょう。
まとめ
金融機関に限らず、あらゆるビジネスでデータ保護には気をつかいますが、タブレットを活用できれば銀行内外の業務を効率化し、迅速な対応が可能になり顧客にもメリットをもたらします。
業務効率化と顧客満足度の向上を実現するためにも、ぜひタブレットの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
プレゼンテーションや商談の場でのタブレットの利用について更に知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。