印刷業界での働き方改革にタブレットの活用を!

少子高齢化による労働力不足はさまざまな業界で問題となっていますが、それは印刷業界でも例外ではありません。

印刷業界では、社会のデジタル化によるペーパーレス化のあおりを受け、印刷物の需要は年々減少傾向にあります。しかし、それと同時に印刷業界に従事する従業員も減少しているため、働き方改革の実施は待ったなしの状況です。

印刷業界で働き方改革を行うにあたっては、タブレットの導入が有効といえます。この記事では、印刷業界におけるタブレットの導入方法について説明します。

目次
1.印刷業界の現状
2.印刷業界ではどの業務にタブレットを導入する?

印刷業界の現状

印刷業界の現状について理解するために、印刷業界の従業員数、事業所数、製造品出荷額のデータを調べます。

なお、データは総務省と経済産業省が公表している「経済センサス‐活動調査 産業別集計(製造業に関する集計) 結果の概要」を参照します。

また、最近5年間の変化について調べるため、経済センサスのデータは2016年(平成28年)と2021年(令和3年)の集計結果を用います。

従業員数、事業所数、製造品出荷額のデータは下記の通りです。

ただし、従業員数と事業所数は4人以上の事業所のデータとなります。また、製造品出荷額のデータは、2015年と2020年のものです。

| |2016年|2021年|増減率|h
|従業員数|26万3891人|23万5105人|-10.9%|
|事業所数|1万2185|9306|-23.6%|

| |2015年|2020年|増減率|h
|製造品出荷額|5兆3571億円|4兆5756億円|-14.6%|
出典:
・令和3年経済センサス‐活動調査
産業別集計(製造業)に関する集計(概要版) 結果の概要
https://www.meti.go.jp/

・平成28年経済センサス‐活動調査
産業別集計(製造業に関する集計) 結果の概要
(工業統計調査結果との比較)
https://www.meti.go.jp/

従業員数、事業所数、製造品出荷額のいずれも減少傾向にあり、特に事業所数の減少率が大きくなっています。

印刷業界の製造品出荷額が減少している背景としては、デジタル化にともなうペーパーレス化の進行があげられます。

増減率で見ると、従業員数よりも製造品出荷額の減少率が大きいです。しかし、従業員数が減少してしまうと、毎日の業務においては従業員の負担が大きくなってしまいます。

そのような状況が続いてしまうと、従業員の減少に拍車をかけることにもなりかねません。従業員の作業負担を軽減するには、タブレットの導入が効果的です。

次の項目では、印刷業界におけるタブレットの導入についてみていきます。

印刷業界ではどの業務にタブレットを導入する?

印刷業界においては、下記の業務でタブレットを利用できます。

・制作業務
・オンライン営業
・データ管理

これらの業務でタブレットを活用することで、業務の効率化が期待されます。それぞれの業務でタブレットを活用する事例について説明します。

制作業務

タブレットを利用すると、制作業務をより効率的に行えます。

印刷物を制作するときには校正作業を行います。校正作業は紙媒体で行うことがあります。

多くの印刷物を制作するほど、校正作業も多くなりますが、校正作業を紙媒体で行っていると、印刷する紙の量は増えます。

すると、紙の購入コストが増えるだけでなく、廃棄にかかるコストも増えてしまいます。

その点、制作業務をタブレットで行えるようになれば、校正作業がタブレットの画面上でできるため、印刷の手間が省けます。これにより、紙の購入費用を抑えられるだけでなく、廃棄の量も減るため、ペーパーレス化につなげられます。

タブレットを導入して紙の使用量を削減できれば、コスト削減だけにとどまらず、環境保護にも貢献できます。

オンライン営業

営業の業務にタブレットを導入すると、オンラインでの営業が可能となります。

オンライン営業のメリットは、取引先と連絡しやすくなること、商談が容易になることです。それぞれの内容についてくわしく説明します。

取引先と連絡しやすくなる
タブレットを利用すれば持ち運びができるため、場所を問わずに取引先とメールで連絡を取れるようになります。持ち運びができる点は、タブレットのメリットといえます。

なお、営業担当者の中には、緊急の場合などに電話で連絡を取る必要があると考える人もいることでしょう。そのような場合は、電話の機能がついているタブレットを利用する方法があります。

営業中に電話を利用する機会が多い場合は、電話機能つきのタブレットの導入を検討してみましょう。

商談をスムーズに行える
そのほか、営業の業務にタブレットを導入すると、商談をスムーズに行えるようになります。

これまでは、営業では多くの資料を持ち歩くことが一般的でした。資料が多いほど重くてかさばり、持ち運びが不便に感じるほか、商談中に必要な資料を出そうとしても時間がかかってしまうこともあります。

その点、タブレットがあれば営業に関する資料のデータを画面上に表示できるため、重い資料を持ち運ぶ必要がなくなります。また、必要なデータは簡単に検索して表示できるので、商談をスムーズに進められます。

さらに、タブレットを使えばオンライン会議も行えるため、リモートでの商談も可能となります。

商談を効率的に行うなら、タブレットの導入が効果的です。

データ管理

印刷の業務にタブレットを導入すると、印刷物に関するデータ管理が容易になります。

タブレットを利用すれば、社内で印刷物のデータを共有できるほか、取引先の担当者とも印刷物のデータを共有できます。

また、印刷物に関するデータを紙媒体に保存している場合は、所持する書類が多いために誤って紛失してしまう可能性がありますが、タブレットで管理していれば、印刷物のデータを紛失してしまう可能性は低くなります。

印刷物のデータを管理することは重要な作業です。紙媒体でデータを管理するよりもタブレットで管理すればより確実となります。

まとめ

印刷業界に従事する従業員数は年々減少の一途にあるため、業務を効率的に行うために働き方改革を実施する必要があります。

その方法として有効なのは、業務にタブレットを導入することです。

タブレットは持ち運びしやすいサイズであるため、場所を問わずに利用できる点がメリットです。制作業務に利用できるほかにも、営業のように外回りをしながら足で稼ぐ業務にも適しています。

さらに、タブレットを使えば、社内の従業員のほか、社外の取引先と印刷物のデータを共有できます。

タブレットの機能を十分に活用しながら、印刷業界の働き方改革に取り組み、働きやすい環境づくりを目指しましょう。

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