栄養指導や食育など栄養士の業務は多種多様 タブレット導入の効果は?

栄養士の仕事は、栄養に関する専門的な知識や技術を活かしながら、栄養管理が必要な人を対象に栄養指導をおこなうことです。

栄養士は給食会社や医療・福祉の現場など、さまざまな職場で働いています。実際に調理にたずさわるほかにも、献立表の作成や食材管理、日報などの書類作成など、事務的な業務もおこないます。これらの業務をタブレットでおこなえれば業務の効率化が期待できます。

この記事では、栄養士の仕事でタブレットを導入した場合のさまざまな効果について説明します。

オンラインによる栄養指導が可能に

栄養士がタブレットを利用するとオンラインでの遠隔指導をおこなえます。

栄養士には「栄養士」と「管理栄養士」の2種類の資格があります。それぞれの資格で栄養指導をできる人は下記の通りとなります。

・栄養士:主に健康な人が対象
・管理栄養士:主に病気にかかっている人が対象

健康な人に対しては栄養士が栄養指導をおこなえますが、病気にかかっている人や高齢で満足に食事が取れない人など、栄養についてより専門的な知識を必要とする場合は管理栄養士が対応します。

栄養指導をオンラインでおこなうケースとして一例をあげると、内科医に勤務する管理栄養士が糖尿病や高血圧など生活習慣病にかかっている人の症状緩和を目的とするものがあります。

リモートでの面談が日常的におこなわれている現在では、栄養指導をおこなう側のみならず受ける側としても、オンラインでの栄養指導を受け入れやすい状況といえます。

オンラインなら自宅にいながら栄養指導を受けられる

栄養指導をオンラインでおこなうメリットは、栄養指導を受けたい人が自宅にいながら受けられる点です。

たとえば、生活習慣病の治療を受けている人が、管理栄養士から「栄養バランスを考えた食事を取るように」という指示を受けているとしましょう。しかし、栄養指導を受けている立場としては「今日の食事は栄養バランスが取れているのだろうか」と疑問に感じることがあるかもしれません。

そんなときに、栄養指導を受けている人がオンラインを通じて「今日の食事はご飯と味噌汁、コロッケですが、栄養のバランスは取れていますか」と管理栄養士に質問をしたとしましょう。

管理栄養士からは「野菜の種類を増やすように心がけたいですね。味噌汁の具に野菜が入っていれば十分ですが、できれば漬物やサラダなどを追加してみてはどうでしょうか」というように具体的な返答をもらえます。

栄養指導を受けたい人がオンラインで栄養士から栄養指導を受けられることで、症状の改善につながりやすくなります。

栄養士がおこなう事務的な作業をタブレットで

栄養士が働く職場の一つに給食会社があります。給食会社がおこなう業務は、学校や企業、福祉施設などに給食を提供することです。

給食を調理する流れとしては、給食センターで複数の施設の給食をまとめて調理して施設に配送する方法のほか、施設の調理室に栄養士や調理者などが出向き、その場で調理をして給食を提供する方法もあります。

給食会社で栄養士がおこなう業務は、献立表の作成、調理する給食の数を管理する「食数管理」、食材の在庫管理、食材の発注、衛生管理などがあります。そのほか、日々の業務内容を記入する「日報の作成」も栄養士の大切な仕事です。

毎日の献立を考えて献立表を作成したうえで、栄養士は給食を何食作ればいいか、人数分の給食を作るためにはどんな食材がどれくらい必要か、発注しなければならない食材の量はどのくらいになるかを考えます。

これらの業務を紙ベースでおこなうと書類の作成に時間がかかってしまいます。しかし、タブレットでおこなえれば画面上で手軽に作成できるうえに、場所を問わずにどこでもできるため、業務の効率化につながります。

また、衛生管理のチェックリストや毎日の日報作成など、各種の書類をタブレットだけで作ることができれば、タブレットの導入費用のみで済むため、パソコンを導入する場合と比べるとコストを抑えられます。

子ども向け食育事業もタブレットで

そのほか、栄養士の業務の一つとして子ども向けの食育事業があります。食育とは「食に関する教育」のことで、その範囲は多岐にわたります。

たとえば、今日の給食で出た食事の食材やその産地、作り方に関することや、フードロスを発生させないために食事を好き嫌いしないで残さず食べるようにすること、はしやスプーンの正しい持ち方に関する教育などがあげられます。

特に、学校における食育ではタブレットを利用すると効率的に進められます。現在の学校ではタブレット教育が広く普及しているため、栄養士が児童や生徒に食育に関する質問を投げかけると、児童や生徒たちはタブレットで返答することができます。

返答した内容を電子黒板に表示すれば、児童や生徒たちが回答した内容をもとにしながら、食育に関する内容について理解を深めることが可能となります。

食育事業に関するアンケートもタブレットで

食育事業を企画し、実施する立場としては、食育事業に参加した人の意見を聞いてみたいと感じるのではないでしょうか。

意見を取り入れることで、参加者の要望に添った内容の食育事業をおこなえるようになるため、参加者にとって必要な内容の教育をおこなうことが可能となります。

そこで活用したいのが、タブレットを利用したアンケートの回答です。先述した例の通り、学校で食育事業をおこなう場合、児童や生徒が利用しているタブレットで食育事業のアンケートに回答ができます。

アンケートに回答した内容は、栄養士が利用しているタブレットに即座に反映されるため、紙で作成したアンケートのように集める手間がかかりません。アンケート結果をすぐに見ることができるのは、タブレットならではのメリットといえるでしょう。

まとめ

栄養士の業務は栄養指導がメインとなりますが、栄養士が働く現場は多種多様です。そのため、それぞれの職場においてさまざまな業務をおこなっています。

時間や場所の制約を受けずに栄養指導をおこなうなら、タブレットを利用したオンライン指導が効果的です。また、タブレットは事務的な作業にも適しています。

たとえば、給食会社などでの献立表作成や食材の在庫管理、一日の業務が終わった後の日報作成はタブレットでおこなうことが可能です。

タブレットなら持ち運びができるため、場所を問わずに作業できる点がメリットとなります。栄養士の業務を効率的におこなうために、タブレットの導入を検討してみませんか。

オンライン指導、在庫管理、文書作成、教育など栄養士の業務に関連したタブレットの活用について知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。